#カウンセリング事例紹介/カップルのコミュニケーションを軌道修正。「味の好みの違い」で別れる?

こんばんは。オーナー兼カウンセラーの佐々木です。

クライエント様に許可をいただき(とはいえ、ぼかしています)
カウンセリング事例をご紹介いたします。

 

【コース】
カップルカウンセリング

【カウンセリング対象】
カップルの男性と女性。交際して半年程度。
彼氏(30代・個人事業主)、彼女(20代・会社員)

【主訴】
喧嘩をしてしまい、別れるべきか迷っている。
客観的な意見がほしい。

 

【内容】
※双方の言い分。ざっくりです。

彼氏「半同棲していて、彼女がいつも料理を作ってくれるが、彼女の作る料理の味が好きになれない。
とはいえ、作ってもらっている手前、文句を言うのも悪いので、
完成してそれぞれに取り分けた皿の自分の分にだけ調味料をかけたら、すごく怒られた。」

彼女「健康を考えて作っている。味の濃いものは体に良くないし、
この人は見ての通り太っているし、ダイエットしたいとも言っていた。」

彼氏「それではと思い、味付けが問題にならない料理(塩味の強弱で変化のない料理。ダシ系のものなど)をリクエストしたら、
今度はわけのわからない作り方をする(レシピ的に正しくない、という意味。例えば、皮をむいていない、材料がそもそも違うなど)。
さすがに指摘したが、何度言っても同じような間違いをするので、カッとなって怒ってしまった。
そうしたら逆ギレされて、喧嘩になった。」

彼女「この人のために作っているのに、なぜ怒るのか理解できなかった。
作ったことのない料理だったので、ネットでわざわざ調べて作ったのに。
それでムカついて家出して、連絡ひとつよこさなかったので電話をしたら、
別れたいと言われて困惑している。」

・・・(以下省略)

 

【所感】
私から見たそれぞれへの印象。

男性(彼氏):怒り(≒感情)のコントロールが不得意。
基本的な交渉能力・パートナーシップを深めていくためのコミュ力が身についていない。
第三者に意見を聞く習慣がないので、客観性に欠けた判断や言動が多い。

女性(彼女):同じく感情のコントロールが不得意、
基本的な交渉能力・パートナーシップを深めていくためのコミュ力が低い。
自己肯定感の低さ、コントロール欲求の高さにより、感情ストレスが溜まりやすい。

とにかく双方が双方に対して解像度が低く、
思考や言動を自ら選択した結果に責任を取るという意識がない。
自責のクセがあり、他責思考が多く、そのどちらにも自覚がない。

「好きな人と美味しい食事をとる」ことで、所属の欲求+生存の欲求がダブルで満たされます

【提案】
別れるのは簡単だが、もし「続けたい」前提が二人にあるのだとしたら、
必要なことは次のようなトレーニング。

・感情コントロール技法、認知行動療法
・認知の歪み(ネガティブに考えてしまう思考のクセ)への自覚
・相手が「こんなふうに言われたら/されたら」「どんなふうに解釈し/どのような気持ち、感情になるか」を想定し、反省し、改善に努める
・自分と相手の気質を深く理解しあうためのワーク
・実際の生活の中に落とし込み、具体的なフィードバックをおこなう

【途中経過】
カウンセリング6回で、現状はかなり穏やか。良い距離感に調整できています。

言語化がそもそも苦手な二人なので、
①自分の気持ちや考えを言葉にしてアウトプットする
②①を相手が受け止めやすい表現に直して差し出す
この2ステップに苦戦していました。

感性は鋭いので「ムッとした空気」「なんか不機嫌」は察知できてしまう反面、
自責思考で焦って考えた結果、相手のことが苦手になってしまうようです。
職場ではパワハラに遭いやすかったり、接触を避けているとのこと。
ケアラータイプなので「相手の顔色をうかがい、機嫌を取らなければならない」という考えが強いです。

一旦、経過観察に移り、間を空けて次のカウンセリングに臨んでいただきます。

 

いかがでしょうか🍙

料理の味の好みが違うだけで別れるの!?と
最初は豆鉄砲をくらっていた佐々木でしたが

「分かってくれない」「歩み寄ってくれない」
という言葉が出てくると、根本が見えてきます。

このように具体的にカウンセリングの中身を知っていただくことで
ご予約に迷っている方はもちろん、
自分たちなりに応用してコミュニケーションの改善を試すことも出来るかもしれません。

ご協力頂いたクライエント様、ありがとうございました。

料理をしない佐々木にとっては思わず襟を正したくなる会話が多く、
個人的にも非常に勉強になりました。笑

それでは、またカウンセリングルームで🌙