夫婦カウンセリング(カップルカウンセリング)は、難しくて奥が深い。主訴と目的のズレ、“審判”にならない工夫のこと
こんにちは😊 オーナーの佐々木です。
梅雨に入りそうな気配がしてきましたね🎐
ジューンブライドということで、
結婚前提のカップルやご夫婦にぜひ知ってほしい
「夫婦カウンセリング(カップルカウンセリング)」について
本記事では、私たちカウンセラーが普段考えている
夫婦カウンセリングのことを書いていきます。
夫婦カウンセリングは複雑で奥深い!
夫婦カウンセリング(カップルカウンセリング)は、
個人向けの一般カウンセリングとは明らかに異なる難しさがあります。
お二人の話を聞いて、関係改善のサポートをする
というシンプルな構造と見せかけて、実に複雑な力学が働きます
カウンセラーの前には常に
「二人の感情」「二人の正しさ」「二人が傷ついた事実」
が同時に存在していて
どちらか一方だけを理解すればよいわけではなく、
同時に、どちらに対しても安易に迎合してはいけないのです。
また、夫婦・カップルに関するカウンセリングで
必ずしも両者がセッションに出そろうとも限りません
「私は夫にこそ受けてほしいんですが、絶対に行かないと…」
「妻に一方的に離婚したいと言われて、話し合いすら応じてもらえないんです」
ということは、ザラにあります
婚前のカップルでも同じで
「私だけが(カウンセリングを受けるほどに)悩んでいる、
相手は問題だと思ってすらいない」
という温度差こそが悩みだったりもします。
私たちカウンセラーは、さまざまな二人組を見てきていますが
いかなる時にも、一筋縄ではいかない覚悟をもって
(もちろん、1対1のカウンセリングでも!)
パートナーシップの現状に目を光らせています。
表面的な主訴と、本当の目的が一致しない
夫婦・カップルが相談に来られるとき、
表面的な主訴は比較的わかりやすいものです。
たとえば
- 会話するとすぐ喧嘩になる
- 浮気または不倫が発覚した
- セックスレスで悩んでいる
- 価値観が合わない気がする
- 離婚するべきか迷っている
こうしたテーマが入口になることは珍しくありませんが
カウンセリングを進めていくうえで
私たちは、表面的な言葉だけを見ていません。
本当の問題が浮気や不倫そのものではなく
小さなきっかけから長年積み重なっていた不信感だったり
喧嘩自体が問題なのではなく
感情を安全に表現できない関係性が問題であったりします。
主訴(相談内容)と目的(本当に扱うべきテーマ)がズレていることを見落としてしまうと、
カウンセリング全体の方向性がブレてしまいます
さらにいえば、目的を誤認していることもあり
【目的】別れたい、離婚したい
→別れる(離婚する)ことでしか今の悩みを解消する手段がないと思い込んでいる
逆も然りで
【目的】復縁したい、再構築したい
→この人しかいないという思い込み、一人では生きていけないという無意識のコンプレックスが隠れている
このようなケースも、よくあります
そのため、私たちカウンセラー自身も
「本当にそうなのか? 言葉通りに受け取るべきなのか?」
「自分の感覚や思い込みに引っ張られて解釈してしまっていないか?」
と、常に自分に問いかけながら掘り下げています
解決したいことが一致しているとは限らない
さらに難しいのは、夫婦それぞれの目的が一致していないケースです。
例えば、
一方は「関係を修復したい」と思っていて
もう一方は「円満に別れるために話したい」
あるいは「自分が悪くないことを証明したい」
などの目的で臨んでいる場合があります。
このとき、同じ場に座っていても、
二人が見ているゴールはまったく違います
私たちカウンセラーは、言葉として語られる内容だけに注目せず
- なぜ今ここに来ているのか
- 本心ではどんなことを期待しているのか
- 本当は何を恐れているのか
というような、顕在化しない部分について見立てていきます。
率直にフィードバックできる場合もありますが、
「本当は別れたいと思っている事は、相手に言わないでほしい
(怒らせるから。何をされるか分からないから)」
というような事情を抱えていたり
「子どものためを思って離婚しないだけで、愛情はありません。
不倫相手に会うことで心のバランスを取っているので、
それだけはバレないようにやっていきたいです」
というような、当初の意思決定が強かったりすると
パートナー同士で核の部分が一致せず、
方針のすり合わせの部分からいきなり難航することがあります。
カウンセラーが“審判”になってしまう危険
また、夫婦カウンセリングで、最も注意したい落とし穴の一つがあります。
それは、カウンセラーが“審判”の役割を引き受けてしまうことです。
どちらが正しいか(悪いか)、どちらが被害者か
ということを判定するポジションを求められることがあります
実際のカウンセリングで
「先生、どう思いますか?」
「普通はどっちがおかしいですか?」
「私が間違っているんですか?」
といった問いが投げかけられる場面はよくあります
カウンセラーがこの問いかけに乗ってしまい
“勝者”と“敗者”が決まった瞬間、対話は止まりやすくなります。
ひとりが「認められた」と感じても、もうひとりは防衛的になってしまい
(敵か味方か、というような発想を生むので、それはそう!)
関係の修復に必要な相互理解が起きにくくなるのです。
パートナーシップを構造的に理解する
夫婦関係において、問題は単純な善悪で整理できないことがほとんどです。
婚前のカップルにおいてもそうで、
自分がどのように感じ、その先でどう決めるか? ということは
いつだって自分側にバトンが渡されています。
たとえば
- 追いかける側と逃げる側
- 怒りを表現する側と黙る側
- 依存する側と距離を取る側
このようなパターンには、相互作用が発生するため
片方だけを切り取ると問題が歪んで見えてしまいます。
重要なのは、「誰が悪いか」ではなく
二人の間で何が起きているのか、という構造を見ることです。
この視点があると、責任追及のループから離れられます。
個人カウンセリングでは、その人の内面に焦点を当てることが多いですが
夫婦カウンセリングでは
二人の間にある関係性を扱っていきます
関係性には、その二人独特のクセのようなものがあり
言えないこと、聞けないこと
期待してしまうこと、諦めてしまうこと
そうした積み重ねが、現在のコミュニケーションを形作っています。
だからこそ表面的な会話内容だけでなく、
背後にある複雑な感情や相互作用を観察する必要があるのです。
難しいからこそ、意義が大きい
夫婦カウンセリングは簡単ではありません
長年積み重なった怒りや悲しみが、一気に噴出することもあり
初回カウンセリングを受ける前には抑圧されて隠れていた感情が
いきなり顔を出し、一時的に大きく関係性を乱したりすることもあります
沈黙が続いたり、防衛反応としての言い訳(と相手には感じさせがち!)がたくさん出てしまったり
感情が大きく揺さぶられ、言い合い寸前になったり
(もはや言い合いが始まってしまうことも全然あります😂)
だからこそ、その場に意味があると考えています
日常では二人の間で繰り返してしまうパターンを
第三者の役割を加えたうえで安全に見直せる機会になるからです。
実際にカウンセリング中に喧嘩が始まっても、
私が無理に止めに入ったことは一度もなく
「カウンセラーさんの前なんだからやめようぜ…」
という空気がどちらからともなく漂い、なんと自然と収まるのです
関係を修復するにしても、別々の道を選ぶにしても
感情的反応だけで決めずに、じっくり整理することは無駄になりません。
自分や相手に対する理解が深まることで、選択の質が変わり
たとえ後悔したとしても、その時の選択自体を後悔することは減っていくはずです。
夫婦カウンセリング(カップルカウンセリング)は、
お互いを改めて理解するための機会であり、自分自身の在り方を見つめ直す場でもあります
私たちカウンセラーには
安直なジャッジをしない覚悟を持ち、二人の間に起きている構造を丁寧に読み解く姿勢が求められます。
難しいからこそ、奥深い! としみじみ感じながら
皆さまのお話を聞かせていただいております
自分自身のパートナーシップの考え方がひっくり返るような
驚きのスタンスに出会うこともあって
学びだなぁ…とも思っています
ぜひ、あなたの考えも聞かせてくださいね😌
